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怒りの感情にカタをつけるとは?

たまに、一瞬「ムッ」とすることがありませんか?


その「ムッ」という感情はなぜ生じたのでしょうか。


数年前の私は
そもそも「ムッ」と感じてしまうことさえ許されないことであり
その感情をなかったことにするために
必死で他のことを考えたり
他の行動を取ろうとしていました。


なぜこのような対処をしたかと言うと、
私は以前、選択理論心理学を学んでいて
全行動」という概念を学んだとき
この概念を日々の生活にしっかり落とし込めば
私の人生は大きく好転すると信じていたからです。

上記のことを具体的に説明しますね。

選択理論では、

人の行動は
「行為」「思考」「感情」「生理反応(体の症状)」
の4つの要素から成り立っていて、
これら4つはそれぞれ別々に成り立っているのではなく、
4つがつながって動くと考えていることから、
「全行動」
と呼んでいます。


例えば、
学校にいかない子どもの「全行動」のメカニズムは、
以下のように考えられます:


行為: 自分の部屋に閉じこもる

思考: 誰も自分の気持ちをわかってくれていない

感情: 怒りと悲しみ

生理反応: 腹痛


ところで、これら4つの要素の中で
自分で変えられるものと、
自分で変えられないものは何でしょう?

変えられるもの → 行為、

思考変えられないもの → 感情、生理反応


全行動のメカニズムを
車のメカニズムに例えて説明できるところが
非常に興味深いです。

さて、ハンドルを動かしたときに動くタイヤは、
前輪でしょうか、後輪でしょうか?


ハンドルを動かした時に動くタイやは
前輪のみです。

そして、前輪の向かった方向に
後輪が付いて行きます。


選択理論では、

行為と思考を前輪、

感情と生理反応を後輪

とみなします。


つまり、行為と思考が変化すると、
感情と生理反応が変化するという仕組みです。


大切なことは、


自分の車のハンドルは
他の誰でもない自分が握っているということ、
そして、自分の行き先(願望)をしっかり見て、
その行き先へ向かってハンドルを操作すること

なのです!


私は、選択理論を学ぶ前は
ネガティブな感情を抱いてはいけないと思っているのに
なかなか自分の感情をコントロールできなくて
毎日もがき苦しんでいました。


でも、いずれ時間がこのしんどい状態を解決してくれると
信じていました。

しかし、今までの自分の心身の状態の変化を振り返ってみたとき、
実際は、時間だけではなく、
自分の思考や行為を変えてきたことで
感情と生理反応を改善できたということに気づくことができました。


ただ、「カタ」をつけてこなかったことが一つあることに
最近になってようやく気づきました。


それは、「ムッ」という怒りの感情が出てきたときに
なぜその怒りが出てきたのかという
怒りの「本当の原因」をきちんと理解することなしに、
つまり怒りの感情にカタをつけないまま
すぐに思考と行動にフォーカスしすぎてしまっていたのです。


アドラー心理学では、
「怒り」を「二次感情」と見ています。


その人が怒っている「一次感情」、
つまり怒りの本当の原因は、
心配・不安・落胆・怖れ、焦りにあるのです。

自分(相手)の怒りの感情にフォーカスするかわりに
自分(相手)の本当の悩みである「一次感情」に気づくことで
自分のことがわかってくるようになります。

そして起きていることをはっきり見ることができるようになります!


私が「ムッ」という感情を抱いたのは
相手の行為自体に怒りを感じているのではなく、
相手の行為が私が正しいと信じているルールから外れる行為だったことで
自分のルールが乱されたという気持ちのゆれが生じたために
怒りを感じたのです。


このような内省をすることで
自分の思考の整理ができ気持ちが穏やかになります。


自分の「ムッ」の感情に向き合うことで
根本のところ(本質)に触れるのがとても大切なのです。

まとめ

「怒りの行動」という怒りの二次感情にフォーカスするかわりに、
怒りの本当の原因(一次感情)に気づくことで
自分のことがわかってくるようになります。
そうすると、起こっていることをはっきり見ることができるようになります。
このステップをきちんと踏むことで、全行動の質が大幅に改善されます。

選択理論についてもっと知りたい方は、この本がおすすめです。


グラッサー博士の選択理論 幸せな人間関係を築くために [ ウィリアム・グラッサー ]